自社がどんな会社であるかを伝えるコーポレートサイトは、顧客や従業員のほか、会社に興味を持つ人にとっての情報源です。企業イメージや信頼性に影響するのでおろそかにはできません。
しかし、企業イメージを高め、信頼を生むコーポレートサイトをつくるのは結構難しいものです。そのため、ありきたりな表現でつくられてしまい、「自社の強みが伝わらない」「競合と類似している」など、不満を抱く経営者や担当者も多いようです。
株式会社プラソルでは、Webマーケティングだけでなく、コーポレートサイト制作にも力を入れています。今回は、企業価値を高めるコーポレートサイトをどのようにつくっていくのかを、 Webコンサルタントの時松さんに聞きました。Web業界20年の経験豊富な時松さんが手がけた事例をもとに、具体的に解説します。コーポレートサイトのリニューアルを考えている方はぜひ参考にしてくださいね。
採用目的のリニューアルの依頼が、コーポレートサイト制作へ転換
今回取り上げる事例は、どのような依頼でしたか?
従業員20人ほどの会社から、「採用目的でリニューアルしたい。作業する人ではなく、上流を考えられる人、経営幹部候補になるぐらいの人を採用したい」という依頼を受けました。
最初の打ち合わせから社長様も参加され、事業内容をはじめ、創業から現在に至るまでどのように会社を発展させていったのか、仕事への想いなど様々な話を聞きました。
以前のサイトは5年前に安価につくったそうで、構造はいたってシンプル。業務内容と会社概要があるぐらいでした。業務の説明は作業メインで、例えば、物流部門では輸送や倉庫管理などを紹介していました。社長様は「このサイトは今の会社の実績と全然合っていない」と苦笑されました。
現在はどのような事業をされているのですか?
企業の課題を解決するビジネスサポート事業です。取引先は大手が多く、「こんなことに困っている」と頼られたら、難しいご相談内容でも断ることなく対応されるそうで、株主・投資家向けのIR関連の機密性の高い仕事もあるなど、業務は多岐にわたり、把握するのは一苦労でした。
採用目的のリニューアルから、コーポレートサイトのつくり直しに変わったんですよね。その経緯を教えてください。
何度か打ち合わせをすると、「求職者だけでなく、紹介で関心をもたれた企業さんや、うちで働くメンバーなど、サイトを見に来た人みんなに『うちはこういう会社です』『こんな考えで事業しています』ということが伝わるサイトにしたい」ということを社長様から聞くことができました。
そこで、社長様の意向を汲み取りながらも、求職者・取引先・社内メンバーなど「実際にサイトを見る人」がどう受け取るか(=ユーザー目線)も踏まえて情報を整理し、構成と表現を提案しました。併せて、採用サイトを別に設けることをおすすめしましたが、「採用サイトをつくるほどではない」というお返事でしたので、コーポレートサイトの中に採用ページを入れることにしました。
「作業だけをしていると、価格を下げざるを得なくなる。うちは価格競争に巻き込まれないオンリーワンの会社を目指している」ということをうかがい、この考えを表現するようなコーポレートサイトをつくらなければと思いました。
価格競争に巻き込まれないためのコーポレートサイトへ
コーポレートサイト制作で最初にしたことを教えてください。
コンセプトづくりです。WEBサイトには核となる考え方を表す言葉、コンセプトが必要です。「前のサイトの表現は使ってほしくない」という要望など、打ち合わせの話をもとに、コンセプトを考えました。社名の由来もヒントに提案すると、「これだよね」と迷いのないOKをいただくことができました。
サイト制作でコンセプトづくりは欠かせませんか?
はい、コンセプトは不可欠です。コンセプトが決まれば、デザイナーはビジュアルを考えやすいし、エンジニアコーダーはサイトの動きを組みやすい。制作スタッフが同じ方向で考えられるので、サイト全体がまとまります。お客様のチェックは細かいところには入りましたが、サイトの根幹に関わる大きな変更は出ませんでした。
コンセプトを決めるまで多少時間はかかりますが、トータルで見たら、コンセプトをしっかり決めて進める方が大きく揺れないし、お客様に納得していただけるサイトをつくれます。
コンセプトのほかに、力を入れたことは?
事業サービスのネーミングです。「前のサイトにあるような“DM”や“輸送”など、ありふれた言葉を使わずに、新しい名前を考えてほしい」と要望されました。
そこで、事業サービスの名称をコピーライターと一緒に考えました。横文字すぎても伝わりません。社長様へのインタビューやコンセプトなどを考慮して、今の事業のイメージに合う名称をつくりました。
コーポレートサイト制作を成功させる大事なポイント
今回の事例で、どのような成果を上げることができましたか?
「仕事の依頼はほぼ紹介だから、サイトからの顧客獲得は必要ない」という珍しい案件で、数字としての成果は見えません。しかし、今の事業サービスを表現でき、会社の魅力を伝えるコーポレートサイトをつくるという成果を上げることができました。
コーポレートサイト制作を成功に導く大事なことはなんでしょうか?
経営者の方としっかり話し合えることが大事です。特に中小企業のサイトは、経営者の考え方が大きく影響します。
今回の社長様が考えをしっかり語ってくださったおかげで、私たちは会社への理解を深めて、デザインやコンテンツなどに落とし込むことができました。また、制作側の意見を直接トップに伝えられたので、コミュニケーションもスムーズで、大きな問題もなく進められました。
お客様の「リニューアルしたい」の真意をつかむ
今回の事例では、当初のリニューアルの依頼内容から大きく変わりましたね。
こういうことは、よくあります。実は、弊社プラソルへの問い合わせのほとんどは「サイトをリニューアルしたい」です。「問い合わせを増やしたい」「結果が出ない状況をどうにかしたい」など、動機は様々ですが、今のサイトに不満があって何かを変えたいとき、「リニューアルしたい」という言葉になるようです。
しかし、リニューアルして目的を果たせるかまでは、ほとんどの方は考えていらっしゃいません。「リニューアルしたい」という言葉の中に、どんな真意があるのかを知るために、プラソルではヒアリングを重視しています。
今回取り上げたのはコーポレートサイトのつくり直しの事例で、コンセプト、デザインのイメージ、事業サービスや強みの文章化など、新たな表現を創造するため、比較的長い期間を要しました。
通常のリニューアルの依頼は、問い合わせや申し込みを増やすことを目的とした、数字の成果を求める方が多く、できるだけ短期間に成果が見えるように動きます。この場合、リニューアルに高い費用をかけなくても、目標達成できることもよくあります。こちらの記事で紹介していますのでご一読ください。
今の自社サイトに不満があるときは、「リニューアルしたい」と気軽にお問い合わせください。じっくりとお話をうかがい、ご満足いただける成果をつくることをお約束します。