前回の記事『【Webコンサルタントに聞く】Web運用で損しないために、今すぐやるべきこと。費用対効果にお悩みの方は参考に!』と同じく今回もWebコンサルタントの五島さんにインタビュー。Webサイトのリニューアルに関して聞きました。
株式会社プラソルには、リニューアルに関する相談も数多く寄せられます。これは、「リニューアルすると成果が出る」と多くの人が考えているからですが、五島さんによると「リニューアルすると成果が出るという時代は終わっている」そうなのです。
高額な費用をかけてリニューアルしなくても、成果につなげる方法はあるということですが、どんな方法か気になりませんか? 数々のサイトで結果を出している、五島さんに教えてもらいました。
「リニューアルしたい」と要望されても行わない理由
Webサイトのリニューアルの相談が多いそうですが、どんな内容ですか?
「サイトが悪いから問い合わせがない。リニューアルして成果を出したい」という相談が多いですね。「古いデザインを新しくしたい」「最新のサービスを載せたい」など、ご自身でこうした方がいいと具体的に考えられて、声をかけていただくことが多いです。しかし、言われたとおりに制作することはあまりありません。

お客様が要望することを、そのまま実行しないのは、なぜですか?
お客様の「こんなことをしたい」という要望は、ご自身の求めている成果を出すための最適解ではないことも多いからです。それなのに、「ご要望どおりにリニューアルしましたが、成果は出ませんでした」では、納得していただけないでしょう。
お客様の考えの背景に何があって、何を達成したいのか、ということが大切なんです。だから、リニューアルをしようと考えた理由や目的をしっかり聞きます。そのうえで、達成したいことを最短で実現できる方法を考えます。
例えば、「サイトから問い合わせを増やしたいので、リニューアルしたい」という場合、必ずしもリニューアルが最適解とは限りません。今のサイトを生かして、ページを追加したり、導線を改善したりするなど、コストを抑えられて、最短で問い合わせを増やせる施策を提案します。
リニューアルより効果的。最短で成果につなげる方法

リニューアルせずに、最短で成果を出すにはどうすればいいですか?
一番大事なことは、どこにボトルネックがあるかを、データからしっかり分析することです。シンプルに考えれば、成果を出すにはユーザーから問い合わせがあることが不可欠です。問い合わせが来ない原因を見つけ出して、改善策を行うことが、成果を出す近道です。
問い合わせが来ない原因と改善策とは?
問い合わせが来ない原因は、基本的には2つしかありません。
ひとつは、アクセスが少ないこと。サイトに訪れる人がいなければ、問い合わせは来ませんよね。アクセスを増やす方法は、Web広告やSEO対策です。SEO対策には、サイト内部の改善や、ページ数・記事数を増やすことがあります。アクセスが増えれば、問い合わせが来るようになります。
もうひとつの原因は、問い合わせ率が低いこと。つまり、アクセスはそれなりにあるのに、問い合わせが全然ないという状態です。問い合わせ率が低い原因は、サイト内部に問題があることがほとんどです。サービスの訴求で強みをきちんと伝えられているか、必要な情報が不足していないかを確認します。
例えば、事例が載っていないと、初見のお客様は「この会社、大丈夫かな?」と不安を感じるでしょう。問い合わせフォームも大事です。必須項目が多いと、「入力が面倒だから、よその会社に問い合わせよう」と離脱する人が増えます。
アクセスを増やすか、問い合わせ率を上げるか、どちらに比重をかけて、どの施策を優先するかを、データから導き出せれば、最短で成果につなげることができます。
リニューアルが効果的なケースと、効果的でないケース

リニューアルが効果的なケースはありますか?
もちろん、ありますよ。サイトの構造を全部作り変えないといけないケースです。極端な例で言うと、スマートフォンに対応していないサイトですね。スマホ対応のレスポンシブデザインに作り直す方が、サイトを訪れた人にとって使いやすさがアップし、SEO対策にも有効で、成果につながります。
またサイトの構造やデザインがあまりに古い場合も、一気に刷新した方が早く成果につながることもあります。
逆に、リニューアルが効果的でないケースは?
自社本位でリニューアルすると、効果は出ませんね。自社がいいと思うデザイン、知ってほしいコンテンツ、売り出したいサービスを強く打ち出すなど、ユーザーと乖離した考え方をもとにリニューアルすると、興味をもたれないサイトになります。市場や競合を踏まえて、ユーザーが求める情報や使いやすさなど、ユーザー本位でリニューアルするべきです。
リニューアルで効果を出すために大事なことは何ですか?
事前のリサーチ、いわゆるデータ分析が非常に重要です。顧客・市場・自社・競合を分析します。競合他社と比較してどこが優れているのか、弱いのか。客層では性別・年代・職業など基本的な属性のほか、どんな価値判断基準か、サービスを使う理由は何かなど。様々なことを、段階を踏んで情報収集します。
そうすると、ユーザーはどんな観点からサービスを比べるのか、申し込みの決定を判断するポイントは何か、などを想定して考えることができ、効果的なデザインやサイト構成になります。そういうリサーチをすっ飛ばしてリニューアルすると、成果は出ないでしょう。
Web会社選びは慎重に判断を

「リニューアルしたい」と言えば、すぐに行ってくれるWeb制作会社もありますよね。
ある意味、センシティブな話になりますが、Web制作会社の事業形態には構造的な問題があります。それは、リニューアルなど「より高額な制作の方が売上と利益になる」ということです。つまり、単価が高い方が儲かるので、より高機能、より動きがいい、よりページ数が多いものを提案する傾向の会社が少なくなりません。
例えば、成果に直結しないページでも「あった方がいいですよ」と言われたり、システムも「高機能になるので無駄ではありません」と提案されたりすると、クライアント側としては「専門家がすすめるのだから」とOKしてしまいますよね。実際それは嘘ではないのですが、成果に対するコストパフォーマンスとして「顧客にとってよいことか」は疑問です。
では安い方がいいのかというと、そう簡単な話ではありません。最初に述べたように、「言われたとおりに作る」だけでは成果が出ないからです。マーケティングのリサーチや、成果が出るサイトを設計するにはそれなりの工数とスキルが必要になります。極端に価格が安い会社では、「サイトを作る」ことはできても、「成果を出せる」とは限りません。
このように、制作をメインにしている会社は、成果をシビアに判断しないところが珍しくありません。リニューアルの費用に見合う成果が出るかは、あいまいにされがちですが、そもそもリニューアルすると成果が出るという時代は終わっています。
サイト運用をしっかり進めることが大事で、そこを疎かにして、結果が出ないからと安易にリニューアルしても、成果につながりません。
いいサイトを制作して結果を出している会社もたくさんあります。しかし、顧客の成果になるかを考えず、売上をあげようという会社もゼロではありません。会社選びは事例やクチコミをチェックして、慎重に判断することをおすすめします。
弊社では、中小企業のための「超インハウスWeb運用」サービスにより、多くの会社をサポートして成果を上げています。様々な事例を「実績紹介」ページで紹介していますのでぜひご覧ください。
リニューアルを検討している方はもちろん、「リニューアルしたのに成果が出ない」などWeb運用にお困りの方も気軽にご相談ください。
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